クローズドアンケート
クローズドアンケート(Closed Survey)とは、回答者が事前に定められた選択肢の中から選んで回答する形式のアンケートを指します。クローズドアンケートは、回答が選択肢に限定されているため、データの収集や分析が比較的容易であり、定量的な分析に適しています。
クローズドアンケートの特徴
事前に決められた選択肢:
回答者は複数の選択肢から1つまたは複数を選んで回答します。例えば、「はい」「いいえ」や、「非常に満足」「満足」「不満」「非常に不満」といった選択肢が含まれます。
データの標準化:
定められた選択肢に基づいて回答が得られるため、データの集計や比較が容易です。これにより、定量的なデータ分析が可能になります。
迅速な回答:
回答者は選択肢を選ぶだけで回答できるため、回答時間が短くなります。これにより、アンケートの回答率が向上することがあります。
クローズドアンケートのメリット
データの集計と分析が容易:
事前に定められた選択肢を使用することで、データの集計と分析が迅速かつ効率的に行えます。統計的な分析やグラフの作成が容易です。
回答の一貫性:
全ての回答者が同じ選択肢から選ぶため、データに一貫性があり、比較可能なデータが得られます。
回答率の向上:
回答が簡単で迅速に行えるため、回答率が高くなる傾向があります。
明確な指標:
明確な選択肢を提供することで、特定の質問に対する回答がより明確になります。これにより、分析結果がより正確になります。
クローズドアンケートのデメリット
限定的な情報:
定められた選択肢に限定されるため、回答者の具体的な意見や詳細なフィードバックが得られにくいです。
バイアスのリスク:
質問の設計や選択肢の内容によっては、回答がバイアスを受ける可能性があります。例えば、選択肢が不適切であったり、偏りがあったりする場合です。
柔軟性の欠如:
回答者が選択肢に合わない意見や感想を持っている場合、それを反映する手段が限られることがあります。
クローズドアンケートの質問形式の例
単一選択肢(Single Choice):
「以下の中から1つ選んでください」という形式。例:「あなたの満足度を教えてください:非常に満足、満足、不満、非常に不満」
複数選択肢(Multiple Choice):
「該当するものを全て選んでください」という形式。例:「あなたがよく利用するSNSを教えてください(複数選択可):Facebook、Twitter、Instagram、LinkedIn」
リッカート尺度(Likert Scale):
回答者の意見や態度を測るための尺度。例:「この製品に対する満足度を教えてください:非常に満足、満足、どちらでもない、不満、非常に不満」
評価尺度(Rating Scale):
回答者が評価を数値で表す形式。例:「サービスの質を1から10のスケールで評価してください」
クローズドアンケートの設計のポイント
明確な目的設定:
アンケートの目的を明確にし、その目的に合った質問を設計します。
適切な選択肢の設定:
回答者が選びやすく、かつ有意義なデータが得られるような選択肢を設定します。全ての可能な回答をカバーするように心がけます。
質問の順序:
質問の順序が回答者の思考プロセスをスムーズにするように配置します。関連性の高い質問をまとめて配置することが効果的です。
テストとフィードバック:
アンケートを実施する前に、サンプルグループに対してテストを行い、質問や選択肢の明確さや適切さを確認します。必要に応じて改善を行います。
まとめ
クローズドアンケートは、事前に設定された選択肢から回答を選ぶ形式のアンケートで、データの収集と分析が容易であるため、定量的な分析に適しています。データの標準化、迅速な回答、回答率の向上、明確な指標などのメリットがある一方で、限定的な情報、バイアスのリスク、柔軟性の欠如などのデメリットも存在します。適切な設計と選択肢の設定を行うことで、効果的なクローズドアンケートを実施し、有意義なデータを収集することが可能です。