OGSM
OGSM(Objectives, Goals, Strategies, Measures)は、企業や組織が戦略計画を策定し、実行するためのフレームワークです。OGSMは、明確な目標を設定し、それに基づく具体的な戦略と行動計画を策定し、その進捗を測定・評価するための手法を提供します。このフレームワークは、組織の全体的なビジョンを具体的な行動に落とし込み、効果的な実行を支援します。
OGSMの構成要素
Objectives(目的):
長期的な目標やビジョンを示します。組織全体の方向性を決定し、達成したい主要な成果を明確にします。
例: 「市場シェアを拡大し、業界リーダーになる」
Goals(目標):
目的を達成するための具体的な数値目標を設定します。SMART(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)の原則に従って設定されます。
例: 「次年度末までに市場シェアを10%増加させる」
Strategies(戦略):
目標を達成するための主要な戦略を策定します。これには、リソースの配分や具体的な行動計画が含まれます。
例: 「新製品の開発と市場投入」「既存顧客のロイヤルティ向上」「新しいマーケティングキャンペーンの展開」
Measures(測定):
戦略の進捗と成果を評価するための具体的な指標を設定します。定期的に測定し、目標達成度を評価します。
例: 「月間売上成長率」「新製品の売上数」「顧客満足度スコア」
OGSMの利点
明確な方向性:
目的と目標を明確に定義することで、組織全体の方向性が統一されます。全員が同じビジョンに向かって進むことができます。
戦略的焦点:
主要な戦略を設定することで、リソースの配分が効率的になり、重要な課題に集中することができます。
パフォーマンスの測定:
具体的な指標を設定することで、進捗を定期的に測定・評価し、必要に応じて戦略を調整することができます。
一貫したコミュニケーション:
OGSMは、組織全体での一貫したコミュニケーションを促進し、全員が同じ目標と戦略を共有することができます。
OGSMの導入手順
目的の設定:
組織のビジョンやミッションに基づいて、長期的な目的を明確にします。
目標の設定:
目的を達成するための具体的な数値目標を設定します。SMARTの原則に従って目標を定義します。
戦略の策定:
目標を達成するための主要な戦略を策定します。これには、具体的な行動計画やリソースの配分が含まれます。
測定指標の設定:
戦略の進捗と成果を評価するための具体的な指標を設定します。これにより、定期的にパフォーマンスを測定・評価します。
実行とモニタリング:
策定した戦略を実行し、定期的に進捗をモニタリングします。必要に応じて戦略を調整し、目標達成に向けて進捗を管理します。
OGSMの実例
製品開発企業のOGSM:
Objectives
: 新しい市場セグメントへの進出
Goals
: 次年度末までに新製品の市場シェアを15%にする
Strategies:
新製品の市場調査とニーズ分析
製品開発チームの強化とリソース配分
新しいマーケティングキャンペーンの展開
Measures:
月間売上成長率
市場シェアの推移
顧客満足度スコア
サービス業のOGSM:
Objectives
: 顧客満足度の向上とリピーターの増加
Goals
: 年内に顧客満足度スコアを8.5以上にする
Strategies:
顧客フィードバックの定期的な収集と分析
サービス品質向上のためのトレーニングプログラムの実施
ロイヤルティプログラムの導入
Measures:
顧客満足度スコア
リピーター率
フィードバック数とその内容
まとめ
OGSM(Objectives, Goals, Strategies, Measures)は、組織が戦略計画を策定し、実行するためのフレームワークです。明確な目標を設定し、それに基づく具体的な戦略と行動計画を策定し、進捗を測定・評価することで、組織の全体的なビジョンを具体的な行動に落とし込み、効果的な実行を支援します。OGSMを導入することで、明確な方向性、戦略的焦点、パフォーマンスの測定、一貫したコミュニケーションが可能となり、組織の目標達成を促進します。