GA4のクロスドメイン計測とは?設定方法と注意点

2026年4月11日

著者: 与謝秀作
GA4のクロスドメイン計測とは?設定方法と注意点

ECサイトと決済ページ、サービスサイトと別ドメインのLP(ランディングページ)など、複数のドメインにまたがるWebサイトを運営しているケースは少なくありません。GA4(Google Analytics 4)では、クロスドメイン計測を正しく設定しないと、ドメインをまたいだタイミングでセッションが分断され、正確なユーザー行動の把握ができなくなります。本記事では、クロスドメイン計測の仕組みから設定手順、よくあるトラブルと注意点までを解説します。

クロスドメイン計測とは

クロスドメイン計測とは、異なるドメイン間でユーザーの行動を一つのセッションとして途切れなく追跡する仕組みのことです。通常、GA4のCookie(_gaや_ga_で始まるCookie)はドメインごとに発行されるため、ユーザーがドメインAからドメインBに移動すると、別のユーザー・別のセッションとして扱われてしまいます。

クロスドメイン計測を設定すると、ドメイン間のリンクにクライアントIDがパラメータとして付与され、移動先のドメインでも同一ユーザーとして識別できるようになります。これにより、ドメインをまたいだコンバージョン経路やユーザー行動を正確に分析できます。

クロスドメイン計測が必要なケース

クロスドメイン計測が必要になる典型的なパターンとして、ECサイトと外部カートや決済サービスが別ドメインの場合があります。たとえば自社サイトがexample.comで、決済がcart.example.netのように異なるドメインで運用されているケースです。また、コーポレートサイトとサービスサイトが別ドメインの場合や、LP(ランディングページ)を別ドメインで運用し、本サイトに誘導している場合、採用サイトやブランドサイトなどサブブランドが独自ドメインを持っている場合なども該当します。

逆に、サブドメイン間(www.example.comとblog.example.comなど)の計測ではクロスドメイン設定は不要です。GA4はデフォルトでサブドメインを同一ドメインとして扱います。

GA4でのクロスドメイン計測の設定方法

GA4管理画面から設定する方法

GA4の管理画面から直接設定する手順は次のとおりです。まずGA4の管理画面を開き、「データストリーム」から対象のウェブストリームを選択します。「タグ設定を行う」をクリックし、「ドメインの設定」を開きます。「マッチタイプ」を「含む」に設定し、クロスドメイン計測を行いたいドメインを追加します。たとえばexample.comとcart.example.netの両方を登録します。設定を保存すれば完了です。

この設定により、登録したドメイン間のリンクにはクライアントIDを含むパラメータ(_gl)が自動で付与されるようになります。

Googleタグマネージャー(GTM)で設定する方法

GTMを使用している場合も、基本的にはGA4の管理画面側で設定します。GTMのGA4設定タグ自体にクロスドメインの設定項目はなく、GA4管理画面の「ドメインの設定」で登録したドメイン情報がGoogleタグを通じて自動的に反映されます。ただし、計測対象のすべてのドメインに同じGA4の測定IDを持つGTMコンテナ(またはGoogleタグ)が設置されている必要があります。

設定後の動作確認方法

クロスドメイン計測が正しく動作しているかを確認するには、いくつかの方法があります。まず、ドメインAからドメインBへのリンクをクリックしたとき、遷移先URLに「_gl=」というパラメータが付与されていることをブラウザのアドレスバーで確認します。次に、GA4のリアルタイムレポートで、ドメインをまたいだ操作がひとつのセッションとして記録されているかを確認します。さらに、GA4のDebugViewを使えば、各イベントのパラメータ詳細をリアルタイムで確認でき、クライアントIDが両ドメインで一致しているかを検証できます。

クロスドメイン計測の注意点とよくあるトラブル

クロスドメイン設定でよくある問題と注意点をまとめます。

まず「不要な参照の一覧」への登録です。クロスドメイン計測を設定したら、GA4の「データストリーム」→「タグ設定を行う」→「不要な参照の一覧」に、計測対象のドメインをすべて追加しましょう。これを忘れると、ドメイン間の遷移がreferralとして記録され、セッションが分断されてしまいます。

次に、_glパラメータの消失です。リダイレクトが発生するページや、JavaScriptで遷移を制御しているページでは、_glパラメータが遷移途中で失われることがあります。リダイレクトチェーンの中間でパラメータが除去されていないか確認が必要です。

また、iframeでの埋め込みには注意が必要です。外部ドメインのコンテンツをiframeで埋め込んでいる場合、クロスドメイン計測は自動的には機能しません。iframe内にも同じ測定IDのGA4タグを設置し、追加の設定が必要になるケースがあります。

さらに、フォーム送信による遷移の場合、リンクのクリックとは異なりGoogleタグが自動で_glパラメータを付与できないことがあります。フォームのaction属性のURLに対してもパラメータが付与されるよう、decorateFormsオプションの設定を確認しましょう。

まとめ

GA4のクロスドメイン計測は、複数ドメインにまたがるサイトで正確なユーザー行動を把握するために不可欠な設定です。GA4の管理画面から「ドメインの設定」にドメインを登録し、「不要な参照の一覧」にも同じドメインを追加することで、セッション分断やreferral誤計測を防げます。設定後はDebugViewやリアルタイムレポートで_glパラメータの付与とセッションの連続性を必ず確認しましょう。クロスドメイン計測を正しく整備することで、ドメインをまたいだコンバージョン経路の分析やアトリビューション評価の精度が大きく向上します。

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