コンテンツ制作の進め方|形式別の要件・担当・承認フロー

2026年8月24日

著者: 与謝秀作
コンテンツ制作の進め方|企画から完成・公開までの手順とコツ

コンテンツ制作は、記事・画像・動画・資料などを、読者の作業と掲載場所に合わせて企画し、使える状態で引き渡す仕事です。制作物が変わると、必要な素材や確認方法も変わります。共通の進行管理に加え、形式別の要件、承認、版管理を決める手順を紹介します。

制作物・利用者・使用場所を依頼書にする

依頼書には目的だけでなく、読者が終えたい作業、制作する形式、掲載場所、対象外、必要な根拠を記します。「分かりやすい動画を作る」だけでは、実演する操作や長さ、音声なしでも伝える範囲、公開条件は決まりません。

例えば「初めて担当する人が確認手順を再現できる操作説明を、記事と短い動画で提供する」と書くと、台本と記事が同じ手順を説明する必要が分かります。これは架空の依頼例です。GOV.UKの利用者ニーズの調査を参考に、属性だけでなく作業と利用環境を確認します。形式そのものが未定なら目的と制約によるコンテンツ形式の比較から選べます。

担当と承認者・成果物を決める

企画の承認、事実の確認、制作、受入、公開・保守を誰が担うか決めます。下表は役割の例で、必ず5人を配置するという意味ではありません。兼任する場合も、何を誰の判断で確定したかを残します。

節目

担当する役割

確定する成果物

企画

編集・事業担当

対象、対象外、提供条件

根拠

分野の確認担当

出典、確認日、使用許可

制作

執筆・デザイン・映像担当

原稿、図版、台本、字幕の版

受入

確認担当

事実、操作、字幕等の確認票

公開・保守

公開担当・所有者

確定版、掲載先、更新契機

英国教育省のコンテンツ戦略のガイドは品質管理や承認、所有者を考える資料として参考になります。進行担当には、差戻しを受けた時の連絡先と、公開を止める判断者も共有します。期限だけで承認済みと扱わない運用にします。

形式別の要件と出典・権利を集める

出典、画面、人物、写真、音楽、ロゴ、顧客の発言などを一覧にし、掲載先と再利用範囲を確認します。自社で入手したファイルでも、編集や別媒体での利用を許可されているとは限りません。未確認の素材は制作に必要な前提として管理し、公開物へ紛れ込ませません。

形式

受け取る素材・成果物

受入時の確認

記事

本文、出典、図表

事実、読み順、リンク先

画像

原本、許可、代替テキストの方針

可読性、意味を持つか装飾か

動画

台本、映像、字幕、必要な説明

内容、同期、音声で伝わらない視覚情報

資料

原稿、提供条件、更新元

読み順、リンク、取得と利用の条件

W3Cの画像の代替テキスト判断表を使い、画像の目的を確認します。代替テキストを入れれば複雑な図の全情報が必ず伝わるわけではなく、必要に応じ本文やデータ表で説明します。

試作を確認して変更を合意する

完成前に、記事なら見出しと一つの記入例、画像なら主要な図、動画なら台本と代表的な場面を確認します。読者の作業を説明できるか、出典と条件がそろうかを早めに判断するためです。見た目の好みだけを集めず、修正の理由を依頼書に結び付けます。

実画面が台本と異なる、許可が取れていない、重要条件が欠けている場合は、設計どおりに完成させるより先に修正を合意します。変更箇所、影響する制作物、追加工数、再承認者を記し、了承されていない仕様を作業中に追加しません。

文章・画像・動画を制作する

執筆では定義と条件をそろえ、図版では数値・単位・凡例を確かめます。映像では、操作と説明の順番、画面の文字、音声と字幕の一致を確認します。同じ主題を記事と動画にする場合も、表現をそのまま複製せず、それぞれで作業を終えられる説明にします。

記事1本の企画・編集の詳細はコンテンツマーケティングの記事作成手順で扱っています。一次資料を読んだ上で具体例を作り、仮定の数値を実績へ置き換えないようにします。Googleのユーザー第一のコンテンツの説明は出典や独自の説明を自己点検する材料ですが、形式を増やせば順位が上がるという根拠ではありません。

品質・アクセシビリティ・配信条件を確認する

制作者以外が確認できるなら、依頼書の作業を実際に試してもらいます。表や図の読みやすさ、リンク、端末での表示、操作後の案内を見ます。専門的な主張は、担当範囲を理解する確認者へ回します。

W3Cの音声・動画のアクセシビリティ計画は、字幕、書き起こし、視覚情報の説明を制作前から検討する考え方を示します。動画内の重要な視覚情報が音声では伝わらない場合、必要な説明方法を選びます。自動字幕は誤字、固有名詞、同期を人が確認し、追加しただけで受入完了とはしません。

  • 確定した原稿と画面・字幕が同じ内容か。
  • 意味のある画像や動画に必要な代替・説明があるか。
  • 資料やフォームの取得条件が案内と一致しているか。
  • 公開先で利用できるファイルと権利の範囲が合っているか。

版を確定し公開と保守へ引き継ぐ

次は、記事と短動画を作る架空の変更・引継ぎ票です。成果や制作時間を測った実績ではありません。版番号を別々に進める場合も、どの組み合わせを公開するかをセットで確定します。

欄

記入例

案件

操作説明を記事と短動画へ再構成

変更

実画面が台本と異なるため、撮影前に手順を修正

承認

分野担当が事実、編集が表現、公開担当が版を確認

確定版

記事v2、映像v2、字幕v2をセットで指定

権利

画面、音楽、人物の利用先と再利用範囲を記録

保守

掲載先、所有者、訂正窓口、更新契機を指定

公開後は、画面仕様や提供条件の変更が記事・動画・資料のどこへ影響するかを追えるようにします。ダウンロード数や再生数を適格な見込み客数と同一視せず、取得、相談、契約など検証した結果を別に記録します。制作の完了は、次の担当者が確定版と保守条件を分かる状態まで含めて考えます。

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