クロスSWOT分析とは?4戦略の作り方と優先順位の決め方

2026年4月30日

著者: 与謝秀作
クロスSWOT分析とは?戦略立案への活用法と事例

クロスSWOT分析は、強み・弱みという内部要因と、機会・脅威という外部要因を組み合わせ、実行する戦略を考える方法です。英語ではTOWS matrixとも呼ばれます。SWOTが現状を整理する段階なら、クロスSWOTは「その条件で何をするか」を選ぶ段階です。

4つの枠を埋めるだけでは実行計画にはなりません。各案に根拠、必要な資源、確かめる指標、担当者、期限を付け、限られた予算で先に試す案を決めましょう。

4つの組み合わせを理解する

戦略

組み合わせ

考える問い

SO

強み×機会

得意なことを使い、どの需要を取りに行くか

ST

強み×脅威

自社の能力で、どの外部リスクを和らげるか

WO

弱み×機会

機会を生かすために、何を補うか

WT

弱み×脅威

損失を抑えるために、何を縮小・回避するか

STは競合への対抗だけ、WTは必ず撤退という意味ではありません。供給先の分散、契約条件の変更、対象市場の限定なども候補になります。同じ要因から複数の案を作って構いませんが、単に「営業を強化する」で終わらせず、対象と行動を書きます。

架空の企業で4戦略を作る

以下は説明用の架空企業「青葉ツール」の例です。国内の小規模製造業向けに業務ソフトを提供しており、今後90日で有効な商談を増やすことを目的にします。実在企業の成果や市場統計ではありません。

区分

検討に使う仮定

実際には確認したい資料

S1 強み

製造現場の導入支援を担当できる社員がいる

支援記録、顧客への聞き取り

W1 弱み

初回設定の説明が分散し、支援工数が大きい

問い合わせ分類、作業時間

O1 機会

特定の業界団体から勉強会の相談がある

相談内容、参加予定者の課題

T1 脅威

競合が低価格のプランを提案している

公開料金、失注時の理由

ここからSOは「導入支援担当と業界団体が共同で課題別の勉強会を開く」、STは「価格比較だけにならないよう、支援範囲と導入時の役割分担を明示する」となります。WOは「勉強会に使う初回設定ガイドを整備し、支援の負担も減らす」、WTは「支援工数が大きく採算の取れない案件では、提供範囲と契約条件を見直す」です。

大切なのは、S1とO1を使った案など、どの要因を結び付けたか残すことです。「機会が本当に存在するか未確認」なら、売上予測より先に顧客や取引先への確認を置きます。

優先順位は効果の大きさだけで決めない

候補

仮の必要費用・工数

最初に確かめること

判断

SO 勉強会を1回試す

10万円・20時間

対象者が集まり、具体的な相談につながるか

小さく試す

WO 設定ガイドを作る

5万円・15時間

支援担当と顧客が手順を再現できるか

勉強会と合わせて着手

ST 支援付きプランを拡張

30万円・60時間

支援への支払意思と採算

顧客確認後に判断

WT 受注条件を再設計

3万円・10時間

現在の赤字要因と顧客への影響

責任者が先に確認

金額と工数は説明用の仮定です。期待効果の点数を付ける場合も、その点数は予測確率ではありません。大きな売上を見込めても根拠が弱い案は、低費用の調査に分けます。法令・契約・資金繰りなど先に解消すべき制約は、総合点とは別に扱います。

90日の実行計画に落とし込む

期間

実行内容

担当

確認する成果・判断

1〜30日

顧客の課題確認、対象者の募集条件、設定ガイド作成

営業・支援担当

課題と参加対象が一致するか

31〜60日

勉強会を1回実施、相談の理由を記録

マーケティング

参加者数だけでなく、有効相談と対応工数

61〜90日

商談の進捗と支援工数を確認

営業責任者

継続、内容変更、見送りを決定

開始前に有効相談の定義と、いつまで追跡するかを決めます。90日で売上が確定しない商材では、未受注案件を利益として計上せず、商談段階と見込額を別欄に残します。勉強会後の売上増加だけで施策の因果効果が証明されたともいえません。季節性、既存商談、値引きなど他の変化も記録します。

そのまま使える記入欄

  • 目的・対象・検討期間:____
  • 組み合わせる要因と証拠:S/W__、O/T__、資料・確認日__
  • 戦略案:誰に、何を、どの方法で提供するか____
  • 必要な費用・工数・制約:____
  • 未確認の仮定と確認方法:____
  • 担当・期限・最初の成果物:____
  • 継続/変更/中止を判断する条件:____

SWOTの情報が古くなったとき、競合条件が変わったとき、試した案の前提が崩れたときに見直します。会議で合意した表を保存するだけでなく、次の確認日を予定に入れることで、分析を意思決定につなげられます。

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