MAツール比較6選|料金・対象企業・API連携で選ぶ

2026年3月27日

著者: 与謝秀作
MAツール(マーケティングオートメーション)おすすめ比較|選び方と導入ステップ

MAツールを選ぶときは、最初に「誰へ、どのタイミングで、どんな情報を届けたいか」を決めます。そのうえで、必要な機能を使えるプラン、顧客データが増えたときの費用、CRMや自社システムとの連携条件を比較すると、候補を絞りやすくなります。

この記事では、HubSpot Marketing Hub、Adobe Marketo Engage、BowNow、SHANON MA、List Finder、b→dashの6製品を比較します。比較は2026年9月22日に確認した公式情報を基準とし、用途との相性は機能に基づく選定の目安です。各製品を同一条件で実測した性能ランキングではありません。

MAツールとは?CRM・SFA・分析ツールとの違い

MAはMarketing Automationの略です。フォームやメール、Web上の行動などをもとに見込み顧客へ継続的に情報を届け、営業に引き渡す仕組みを支援します。ツールを導入しただけで見込み顧客や商談が自動的に増えるわけではなく、配信するコンテンツと営業の対応体制が必要です。

役割

主な管理対象

確認したいこと

MA

見込み顧客への接点・配信・育成

どの条件でメールを送り、誰を営業へ渡すか

CRM・SFA

顧客・担当者・商談・営業活動

営業が対応した結果と、商談・受注の状況

広告・Web分析

集客費用・訪問・サイト内行動

どの媒体やページが成果に貢献しているか

製品によって複数の役割を含むため、機能名だけで区分する必要はありません。ただし、社内で「顧客情報の正本をどこに置くか」「商談結果をどこから戻すか」は決めておきましょう。

MAツール6製品の比較表

料金は日本向け公式ページの掲載内容です。最低料金だけでは条件がそろわないため、初期費用、契約期間、税区分、顧客数やオプションを含む見積もりで比較してください。確認できない費用を0円とは扱っていません。

製品

候補になる用途

公式掲載料金・確認事項

連携で確認する点

HubSpot Marketing Hub

CRMとマーケティングをまとめて管理したい

無料ツールあり。Professionalは月額96,000円/106,800円の支払い条件別表示。導入支援360,000円が別途必須

利用プラン、マーケティングコンタクト数、APIのアプリ種別と制限

Adobe Marketo Engage

複雑なBtoB育成・営業連携を設計したい

個別相談。Growth・Select・Prime・Ultimateで機能範囲が異なる

CRM同期の対象、REST APIの上限、既存連携とのリソース共有

BowNow

少人数で見込み顧客の把握とメール施策を始めたい

無料プランあり。有料プランの金額は現行の料金資料で確認

Sales Cloud・kintone・Sansanなどの対応範囲と利用プラン

SHANON MA

Webと展示会・セミナーの接点をまとめたい

デジタル月額60,000円、スタンダード120,000円、エンタープライズ300,000円。初期費用などは要確認

必要なコネクタ、イベント機能の対象プラン、同期項目

List Finder

BtoBの既存リードを営業のアプローチにつなげたい

無料プランあり。ライト月額45,000円・初期100,000円。PV数・顧客データ数による追加料金あり

外部ツール連携の対象機能とオプション費用

b→dash

顧客・購買・行動データの統合から配信まで整えたい

料金非公開。必要機能や利用規模に応じて個別相談

取込元、データ加工、APIで行う更新・配信の範囲

料金の出典:HubSpot、Adobe、BowNow、SHANON、List Finder、b→dash。

目的別の選び方と、各製品の確認ポイント

HubSpot:CRMとマーケティングを一緒に整える

顧客情報を軸に、フォーム・メール・営業への引き継ぎをまとめたい場合の候補です。無料ツールやStarterで試せても、複雑な自動化が同じ条件で使えるとは限りません。実行したいワークフローを示し、必要なプランを確認しましょう。Professionalの価格にはコアシート3件・マーケティングコンタクト2,000件が含まれ、追加分も費用に影響します。

Marketo Engage:複雑な育成ルールを組織で運用する

複数のキャンペーンや営業プロセスをまたぐ育成を設計する場合の候補です。パッケージごとの機能差を確認し、シナリオ設計、データ管理、連携保守を誰が担当するかを先に決めます。高機能な製品を選んでも、運用担当や配信素材が足りなければ使い切れません。

BowNow:小さな運用から適性を確かめる

無料プランにはリード数100件、1ドメインなどの制限があります。最初に少数の対象で運用を試し、本番で必要なログの保持期間や機能、連携先を有料プランと照合する進め方が向いています。旧資料の料金をそのまま使わず、現在の料金資料を取り寄せて比較しましょう。

SHANON MA:Webとイベントの履歴をつなぐ

展示会やセミナーとWeb施策の両方を運用する企業の候補です。リアルイベントの運営管理は料金表でスタンダードの特徴として示されています。デジタルプランの金額だけで比較せず、必要なイベント機能を含む条件にそろえます。外部連携はシャノンコネクトで対象製品を確認してください。

List Finder:営業が次に連絡すべき相手を整理する

保有するリードのWeb行動を確認し、営業のアプローチへつなげたい企業の候補です。フォームやPDF解析などは必要機能をプラン表で照合します。外部ツール連携オプションは公式価格表に月額10,000円と記載されていますが、対象の連携に必要かを見積もり時に確認してください。

b→dash:データ統合と施策を一体で検討する

顧客・購買・行動データを整理する作業も含めて検討する場合の候補です。公式の製品説明ではCDP、MA、BIなどを案内しています。ノーコードで扱える範囲が広くても、顧客ID、データの欠損、更新頻度などの設計は必要です。APIの案内も確認し、自社の取込・更新・配信要件を伝えましょう。

BtoB・BtoCで比較条件を変える

BtoBで長期の検討や複数人の意思決定がある場合は、企業と担当者の関連付け、展示会などの接点、営業への引き渡し条件を重視します。BtoCで購入頻度や購買履歴を使う場合は、顧客IDの統合、大量データの更新、配信チャネル、購入後のシナリオを重視します。

「BtoB向け」「BtoC向け」という分類だけで決めず、自社の具体的な施策が必要な規模で実行できるかを確認してください。たとえば、資料請求後の営業フォローと、購入後のリピート促進では、同じメール機能でも必要なデータとタイミングが異なります。

料金は初年度の総額と、増加時の総額で比較する

比較式は「初期設定・移行費+月額基本料×12+従量料金+連携・支援オプション+社内運用工数」です。基本料金が低くても、必須の連携や運用支援を加えると候補の順番が変わる場合があります。

費用項目

見積もり時にそろえる条件

初期費用

導入支援、既存データ移行、フォーム・テンプレート設定

顧客数

登録総数か配信対象数か。休眠・配信停止の扱い

利用量

PV数、メール数、利用者数、APIやデータ容量

連携費用

標準コネクタ、APIオプション、iPaaS、個別開発と保守

契約条件

最低期間、年額・月額払い、更新、増枠・減枠の条件

運用支援

問い合わせ対応、設定代行、コンテンツ制作、定例相談の範囲

現在の利用量と、1年後に顧客データや配信数が増えたケースの2通りで見積もりを依頼しましょう。将来の件数は自社の計画上の仮定として示し、ベンダーの保証値と混同しないようにします。

API・CRM連携は「対応」の一言で判断しない

連携製品のロゴが掲載されていても、必要な項目が必要な方向へ同期されるとは限りません。まず、CRM→MAに顧客属性、MA→CRMに反応履歴、CRM→MAに商談結果を戻すなど、必要なデータの流れを描きます。これは設計例であり、全製品が標準機能で対応することを意味しません。

確認項目

ベンダー・開発担当へ聞くこと

対象データ

顧客、企業、商談、配信停止、行動履歴を読み書きできるか

同期方向・更新頻度

片方向か双方向か。イベント通知か定期処理か

顧客の識別

IDやメール変更時の名寄せ、重複登録をどう扱うか

上限

1日・短時間・同時実行・一括処理の制限を、既存連携と共有するか

障害時

失敗の検知、再送、処理済み判定、手動復旧の方法

契約・運用

必要プラン、認証方式、権限、保守担当、解約時のデータ出力

具体例として、HubSpotのAPI上限はアプリの配布方式や契約によって異なり、一部APIには個別制限があります。MarketoのREST APIにも日次・短時間・同時実行の制限があります。単一の「1日○件」だけで連携可否を判断しないことが大切です。

例として、同じ顧客がフォームを再送信したときに新規顧客が増殖しないか、CRMでメールアドレスを変更したときに別人扱いにならないかを確認します。配信停止を同期した後、再同期で誤って配信対象へ戻らないことも検証項目です。

導入前の検証から運用定着までの5ステップ

  1. 目的と成功条件を決める:問い合わせ後の追客、休眠リードの再接点、イベント後のフォローなど、最初の施策を1つ選ぶ。営業対応率や商談化率の定義も合わせる。
  2. データと運用担当を整理する:CRM、フォーム、顧客ID、配信対象の扱いを確認し、管理担当を決める。
  3. 2〜3製品で同じシナリオを検証する:テストデータを使い、フォーム登録→配信条件の判定→営業への通知→結果の同期まで試す。
  4. 例外処理を確認する:重複、配信停止、権限不足、同期失敗を試し、運用担当が復旧できるか確認する。
  5. 小さく開始して改善する:初期は対象を絞り、配信の到達・反応と営業の対応結果を見て条件を調整する。

試用では、単に画面を見せてもらうだけでなく、担当者自身が日常の作業を完了できるかを確認します。ベンダーの支援が必要だった部分を記録すると、導入後の工数を見積もりやすくなります。

MA導入と並行して、集客から商談までの評価を整える

MAでは育成や営業への引き渡しを追い、CRM・SFAでは商談・受注を確認します。一方、広告費用やWebサイト内の行動は別の指標です。フォームへ進むクリックと、問い合わせ完了、商談成立を区別して集計しましょう。Web側の計測はGA4でクリックを計測する方法も参考になります。

複数の広告・SNS・GA4のデータをまとめて把握したい場合は、NeX-Rayの対応メディアとレポート機能を確認してください。MAの配信・育成機能とは役割が異なります。MAとの直接連携を前提にせず、集客分析と顧客管理で必要なデータを整理して選びましょう。

MAツール比較でよくある質問

無料プランだけで始められますか?

基本操作や小規模な施策を試す用途には使えます。ただし、顧客数、履歴保持、自動化、外部連携などの制限があるため、本番運用に必要な範囲を確認します。

API連携があれば、どのCRMとも簡単につながりますか?

必要なデータを読み書きできるか、同期の方向や頻度が要件を満たすかによります。標準コネクタで足りる場合も、追加開発や別サービスが必要な場合もあります。

導入前に最低限準備するものは何ですか?

最初に実施する施策、対象となる顧客データ、届けるコンテンツ、営業への引き渡しルール、運用担当を用意します。この5点を具体化してから比較すると、不要な機能を増やさずに選びやすくなります。

関連記事